先日、レビューのついでとはなんですが、今回も書評を記事にアップします。
前回の関連記事はこちら
http://value-investment.uekenweb.com/2016/08/17/post-189/
ということで今回読んだのはこちらの本。
買わせる文章が「誰でも」「思い通り」に書ける101の法則 (アスカビジネス)
お前はどこまでもアフィリエイトで稼ぎたいのか?と思わせる本の題名ですが(苦笑)
ただ、この本を読んでもネットでモノを買ってくれるようになるとは到底思えませんし、アフィリエイトというのはそんなに簡単でないことを知っています。
では、どのような点で良書なのか、ワタシが感じたことについてまとめてみたいと思います。
文書を書くときに必要なものとは
例えば、ワタシがいまこのように書いているのは、ブログを書きたいからであって、ブログというツールを介してワタシの訴えを聞いてほしいという欲求に基づくものです。ブログを書いているヒトには感じると思いますが、ブロガー自身が知っていることを情報発信したいと思っているハズです。
なのに、時として表現する者は自分の言いたいことだけを書いて、はい、おしまい!という形式のブログも見られますね(自分も含めて)。
でも、ブログを読ませたい人に納得を与えるにはそれでは不十分で、読み手のことを考えて文書を書いているかという視点が大切です。このことの重要性を書いているのがこの本の主たる目的です。
読み手が求めている表現とは
ネタばれのない範囲で記載すると、本書でいう「買わせる文書」のエッセンスは以下のとおりです。
自分の商品(サービス)を熟知すること
ターゲット(お客さん)を熟知すること
この二つのことを考慮した上で
商品のターゲットを決める
ターゲットは架空のモデル(ペルソナ)を決める
ターゲットの心に響く言葉や表現を収集する
次に必要なのは、ターゲットのニーズをつかむことです。
ターゲットのニーズはなにかの「不」がある
「不」からターゲットがどんなニーズを持っているのか考える
ニーズが見えると「訴求」が見えてくる
「不」と「ニーズ」と「訴求」のセットで物事を考えることが必要です。これを押さえて文章化することが重要と説きます。
商品のベネフィット(利益、恩恵)を明確に打ち出すことが必要
機能面と情緒面から特徴をプッシュする
商品のベネフィットの羅列ではなく優先順位をつける
情緒的(つまりユーザーとしての感情や気持ち)をきちんと押さえることで、「この書き手はよく理解している」として説得力も増しますね。このほかにも、キャッチコピーを考える、商品の科学的な根拠・データを盛り込む、といった作業が求められることになります。
ビジネスにも使える要素がいっぱい
ワタシ達サラリーマンにとっては、日々上司やクライアントから説明やプレゼンを求められることがあります。パワーポイントをうまく活用して見やすさをアップすることも重要ですが、これまで書いたきた「買いたくなる文章」を自分の仕事に取り込んでみたらどうでしょうか。
商品を自分の担当業務に、ターゲットを自身の上司やクライアントに置き換えてみたら・・・なんかうまく説得力の深い資料が作れそうな気がしませんか?
分かりやすく書かれた良書
本書はとにかく読みやすい文書で書かれていて、ページをめくるたびに「気づき」を感じます。この本を読んだ後、3000字程度も書いたブログ記事があるのですが、この本に書かれている視点がほぼないことに気づいて、そのブログ記事は廃案にしようという気さえおきました。
こうした上手な文書をスラスラと書けるようになるまでは相当の時間を要すると思いますが、取り急ぎ、本書に書かれた要所要所についてはノートに書き出しで、ブログ記事のネタ作りのためのフォーマットを用意しておこうか、と思ったぐらいです。
プロのブログ参照でもいいが
ブログの勉強を有名ブログで解決するのもひとつのやり方ですが、この人ブログ上手いなあと思うのは大概この本に書かれたようなツボをきちんと押さえられています。
この本を繰り返し読了し、ブログでもビジネスの場面でも「買わせる」ことができるような魅力的な文書を書けるように日々鍛錬していきたいと思いました。
ブロガーからビジネスマンまで幅広く役にたつ良本だと思います。まだ、読んだことがないヒトは手に取ってみることをおすすめします。